プラスチックごみによる環境汚染を防ぐための国際条約策定に向けて韓国南部の釜山(プサン)で行われた政府間の交渉委員会では、プラスチックの生産量の削減目標をめぐり、各国の意見の対立が解消されず、初めてとなる国際条約策定の合意には至りませんでした。
この会議は、プラスチック汚染に対処するため法的拘束力を持つ国際条約を作成することを目的とし、今回が5回目の開催でした。先月25日から今月1日までの日程で行われ、178か国の代表が出席して議論が行われました。
会議では、プラスチック素材の生産削減目標の設定を求める国々と、生産規制に関する条文を盛り込むことに反対する産油国の間で意見が対立しました。また、プラスチック製品や関連化学物質の管理、条約の義務を果たすための資金確保などの問題でも溝が埋まらず、最終日の深夜まで続けられた議論でも妥協点を見いだすことはできませんでした。
この結果、条約案への合意は断念され、議論は来年の会合へ持ち越されることが決まりました。
この状況に対し、環境団体からは懸念の声が上がっています。環境保護団体グリーンピースの関係者は「少数の国家や化石燃料業界が、多数の国々の努力を妨げることが再び起きてはならない」と批判しています。