北韓が、金剛山(クムガンサン)観光地区にある韓国側の施設、ゴルフ場のクラブハウスを撤去している動きが確認されました。
韓国統一部の報道官は2日、定例の会見で「金剛山観光地区にある韓国側の多くの施設が撤去されたか、撤去中で、ゴルフ場のクラブハウスも撤去が行われているものと把握している」と明らかにしました。
金剛山観光地区にあるゴルフ場は、韓国のリゾートホテル企業「アナンティ」が造成したもので、18ホール規模のゴルフ場と宿泊施設を備えた複合施設です。
2008年5月にオープンしたものの、2019年2月、ベトナム・ハノイで開かれた米朝首脳会談が物別れに終わって以降、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の指示により、金剛山観光地区内の韓国側の施設の撤去が本格化し、2022年4月にクラブハウス周辺の宿泊施設8棟などが撤去されました。
クラブハウスは、その後も残されていたため、北韓当局が別の用途で利用する可能性もあるとみられていましたが、今回、撤去の動きが確認されたということです。
統一部によりますと、現在、金剛山観光地区には、離散家族の面会所をはじめとする、一部の施設のみ残っています。
統一部の報道官は、「韓国政府と企業の財産権を侵害する行為に対しては、時間がかかったとしても、北韓に責任を問う方針だ」と明らかにしました。