非常戒厳を宣布するよう提案したとされる金龍顕(キム・ヨンヒョン)国防部長官の辞意を尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が受け入れ、後任に崔秉赫(チェ・ビョンヒョク)駐サウジアラビア大使を指名しました。
崔候補は、1963年生まれ。陸軍士官学校の第41期で、1985年に任官し、第22師団長や陸軍参謀次長、韓米連合軍司令官などを歴任した予備役大将です。
大統領室は、崔候補について、「国防分野の豊富な経験と高い見識を有しており、各地での野戦経験が豊富な作戦の専門家だ」と紹介しました。
そのうえで、「献身的な姿勢で任務を全うし、規定を遵守する原則主義者であり、上官にも直言できる信念を備えているため、軍内部での信望も厚い」と紹介しました。
一方、辞任する金長官は、就任から3か月で退任することになりました。
金長官は、非常戒厳を提案して国民を混乱させたとして、引責辞任する意向を尹大統領に伝えました。
金長官は、4日午後6時ごろ、尹大統領に辞意を伝えたと明らかにしましたが、それからおよそ14時間で、辞意の受け入れと後任が発表されました。
非常戒厳の解除が行われたあと、長官らが相次いで辞意を表明しましたが、尹大統領が辞任を承認したのは初めてになります。
韓国国内だけでなく海外でも非常戒厳をめぐる波紋が広がっているなか、非常戒厳を提案したとされる国防部長官を交代し、事態の収拾に乗り出したものとみられます。
その一方で、金長官が出席する予定だった国会の国防委員会の緊急懸案質疑を避ける狙いもあったものとみられます。
金長官は、戒厳司令官を務めた朴安洙(パク・アンス)陸軍参謀総長とともに、国防委員会の緊急懸案質疑に出席する予定でした。