「非常戒厳」の宣言と解除に続き、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の弾劾問題などで、政局が不安定化するなか、韓国外交部は、ソウルに駐在する主要国の外交使節に対し、3日に宣言された「非常戒厳」と解除後の国内の状況について説明を行ったと明らかにしました。
予定されていた主な外交日程が相次いで中止となり、韓国が外交上孤立することが懸念されているほか、アメリカやイギリスなどが、韓国への渡航注意令を出していることを受けて、主要国に韓国の現状を説明することで、信頼を回復するための措置とみられます。
韓国外交部の金烘均(キム・ホンギュン)第1次官は9日、日本の水嶋光一大使と会談し、「非常戒厳」の宣言と解除について、「民主的プロセスと法治主義を土台に克服していく」としたうえで、今後も緊密なコミュニケーションを通じて、韓日関係や韓日米3か国の協力と発展のために努力すると伝えました。
また、鄭炳元(チョン・ビョンウォン)次官補は中国の方坤大使と会談し、韓国と中国の戦略的パートナーシップ関係を持続的に発展させていくという、韓国政府の立場に変化はないことを強調しました。
一方、アメリカでは、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が「非常戒厳」の宣言を、あらかじめアメリカ側に通知しなかったことについて、強い批判の声が上がっていますが、これを意識してか、趙兌烈(チョ・テヨル)外交部長官は、5日と8日、2度にわたり、アメリカのフィリップ・ゴールドバーグ大使と会談しました。
そのほかにも外交部は、「非常戒厳」が解除された4日、韓国に駐在するすべての外国公館に宛てて、「国内の状況は安定している」という旨の公式書簡を送りました。
一方、外交部の趙九来(チョ・グレ)外交戦略情報本部長は9日、東京を訪れ、日本の外務省の鯰博行アジア大洋州局長、アメリカ国務省のダニエル・クリテンブリンク国務次官補と会談し、北韓への対応や核問題について議論し、引き続き協力して取り組むことを確認しました。