今年のノーベル賞授賞式が現地時間の10日、スウェーデンのストックホルムで開かれ、アジア人女性で初めて文学賞に輝いた韓国の作家、韓江（ハン・ガン）さん（54）にメダルと賞状が授与されました。
 
韓さんは普段愛用している黒を基調とした落ち着いたデザインのドレスで登場し、カール・グスタフ国王から直接メダルと賞状を受け取りました。
 
授賞に先立ち演説したノーベル賞委員を務めるスウェーデンの作家、エレン・マッソンさんは、韓江さんの作品について「作品を貫く色は白と赤であり、これは歴史的な経験を象徴している」さらに「夢と現実、過去と現在の境界が曖昧になる時が作品の中で絶え間なく現れる。登場人物たちは傷つきやすく弱い存在だが、それでも一歩を踏み出す力を備えている」と作品の魅力を語りました。
 
授賞式の後、ストックホルム市庁舎では、カール・グスタフ国王やノーベル財団の関係者などおよそ1300人が出席する大規模な晩餐会が開かれました。
 
晩餐会に出席した韓さんは英語でスピーチを行い、「文学作品を読むこと、書くことは、生命を破壊する全ての行為に反対することです」と語りました。また、「最も暗い夜でさえ、言葉はわれわれを互いにつないでくれる」と述べ、文学の重要性と希望の力を強調しました。
 
今回の韓さんの受賞は、アジア文学が世界で再評価される契機となるとともに、韓国文学の新たな地位を確立する大きな一歩として注目を集めています。