北韓のメディアが、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が3日夜に「非常戒厳」を宣言したことについて、「独裁の銃剣を国民に向ける衝撃的な事件が起きた」と初めて報じました。
北韓の朝鮮中央通信は11日、尹大統領が3日夜に「非常戒厳」を宣言したことについて、「統治危機と弾劾危機に陥った尹錫悦傀儡(かいらい)が、不意に非常戒厳令を宣布し、独裁の銃剣を国民に向けた。この事件は韓国全土を阿鼻叫喚の状態に陥れた」と報じました。
朝鮮中央通信はまた、3日夜の「非常戒厳」宣言からおよそ6時間後の解除、7日に国会で行われた尹大統領の弾劾訴追案の採決が不成立となり廃案となった経緯を詳細に伝えました。戒厳令発動の過程で軍が動員された事実についても言及しています。
さらに、弾劾訴追案が廃案となった後にソウルで大規模な集会が開かれていることを伝え、「国際社会は、尹錫悦の突然の戒厳令宣布は絶望感の表現で、尹錫悦の政治生命が早期に終わる可能性があると予測しながら厳正に注視している」と伝えました。
同じ内容の記事は北韓住民向けの労働新聞にも掲載され、国会議事堂前で行われたろうそく集会の写真も添えられました。
北韓が韓国を非難する報道を再開したのは7日ぶりのことです。北韓は先月中旬以降、尹大統領を非難する集会などを連日報じていましたが、5日以降は韓国内の動向を一切報じませんでした。