尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は12日午前、「非常戒厳」をめぐって4回目となる談話を発表し、「戒厳宣布は統治行為だった」として、弾劾や捜査と対決する方針を明らかにしました。
尹大統領は、7日に国民に向けた談話を発表して以来、5日ぶりに大統領室に出勤し、4回目となる談話を発表しました。
そのなかで、尹大統領は、戒厳令の宣布について「多数の力で立法暴挙を繰り返す巨大野党による議会の独裁に立ち向かい、自由民主主義と憲政秩序を守るためのものだった」としたうえで、わずか2時間で解除されたことや、国会に投入された軍部隊は秩序を維持するものだったなどとして「非常戒厳は内乱ではない」と主張しました。
また、「大統領の非常戒厳を宣布する権利の行使は、赦免権や外交権の行使と同様、司法審査の対象にならない統治行為だ」と強調しました。
そのうえで「これまで国政をまひさせた勢力や犯罪者集団が国政を掌握し、韓国の未来を脅かすことは、何があっても防がなければならない。私は最後まで戦う」と述べ、事実上、弾劾や捜査と対決する方針を明らかにしました。
一方、戒厳軍が中央選挙管理委員会に投入されたことについては、「国防長官に選挙管理委員会の電算システムを点検するよう指示した」と説明しました。
尹大統領は、去年下半期、選挙管理委員会をはじめとする国家機関に対し、北韓によるハッキング攻撃があったことを国家情報院が発見し、電算システムの安全性を点検しようとしたものの、選挙管理委員会が、憲法によって独自の権限を付与される「憲法機関」であることを理由に拒否したとして、「選挙管理委員会は、令状による家宅捜索や強制捜査が事実上、不可能だ」として、戒厳軍を投入した理由を説明しました。