検察は、「非常戒厳」をめぐる捜査で、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領に15日午前の出頭を求めましたが、大統領側が応じなかったと発表しました。検察は16日にも改めて出頭を要請する文書を送る方針です。
検察の非常戒厳特別捜査本部によりますと、尹大統領に対して15日午前10時の出頭を求める文書を11日に送付していました。しかし、大統領側から「弁護士の準備が整っていないため出席できない」との連絡があり、出頭は実現しませんでした。
検察は、尹大統領が違憲かつ違法な戒厳令を発令し、国会や中央選挙管理委員会に武装部隊を投入するよう指示したとして、内乱の首謀者とみています。
検察は出頭要請の文書を16日にも再び送るとしていますが、尹大統領は12日に発表した談話で「大統領の非常戒厳を宣布する権利の行使は、司法審査の対象にならない」と主張しており、今後の出頭要請にも応じない可能性が高いとみられます。
尹大統領が引き続き出頭を拒否した場合、検察は、逮捕状を請求して強制的に身柄を確保する可能性があります。
また、検察は15日、今回の戒厳令に関与したとして、当時戒厳司令官を務めた陸軍参謀総長、特殊戦司令部の司令官、首都防衛司令部の司令官の3人に対しても逮捕状を請求するなど、軍幹部に対する捜査を加速させています。