韓国で「国民的詩人」として愛される尹東柱(ユン・ドンジュ)に対し、在学していた同志社大学が名誉博士号を授与することを決めました。
同志社大学が14日に発表したところによりますと、この決定は12日に開かれた学長主催の会議で正式に承認されたもので、1875年の開学以来、死後に博士号を授与するのは初めてのことです。
大学関係者は、「在学中に逮捕され、その後獄死した尹東柱を守ることができなかった自責の念を込めた特別な決定」と説明しています。
授与式は没後80年の命日にあたる来年2月16日に行われ、遺族を代表しておいの尹仁石(ユン・インソク)成均館大学名誉教授が代理で受け取る予定です。
大学側はまた、来年、尹東柱没後80年の記念行事を行うことにしています。
尹東柱は1942年に日本に渡り、東京の立教大学に留学後、同志社大学に編入しましたが、ハングルで詩をつくったとして治安維持法違反の疑いで逮捕されました。1944年に懲役2年の刑が確定し、1945年2月16日に福岡刑務所で28歳の若さで亡くなりました。
同志社大学では、1995年に尹東柱の代表作「序詩」を刻んだ詩碑を学内に建て、追悼を続けています。