アメリカ政府は、尹錫悦（ユン・ソンニョル）大統領の弾劾訴追を受け、大統領の権限を代行する韓悳洙（ハン・ドクス）国務総理に対する全面的な支持を表明し、近く、ハイレベルの対面外交を行う方針を明らかにしました。
 
アメリカ国務省のキャンベル副長官は、現地時間の19日、ワシントンで開かれたメディアとの懇談会で、「韓国務総理は、数十年間にわたる公職の経験があり、アメリカ駐在大使も歴任したため、アメリカでもよく知られている」として、韓国務総理の大統領権限代行を全面的に支持すると明らかにしました。
 
また、韓国とアメリカの緊密な協力のために、政府だけでなく、与野党など、すべてのチャンネルを通じてコミュニケーションを行っていく考えを示したうえで、数週間以内に、韓国政府とハイレベルの対面外交を行う計画だと述べました。
 
これまで、アメリカは、尹大統領による「非常戒厳」宣言を受け、アメリカで4日から5日に開催を予定していた、核拡大抑止に関する協議の枠組みであるNCG＝核協議グループの会議や、オースティン国防長官の韓国訪問を見送っていました。
 
一方、キャンベル副長官は、第2期トランプ政権の対北韓外交について、「トランプ氏は北韓と金正恩（キム・ジョンウン）国務委員長に注目している」としながらも、北韓とロシアの協力が強化されたことなどに触れながら「第1期のころとは状況が変わった」との考えを示しました。
 
そのうえで、韓国の不安定な政局やアメリカの政権交代のタイミングを狙って、北韓が軍事挑発を行う可能性があるとして、警戒の必要性を強調しました。