韓国とアメリカは、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領による「非常戒厳」の宣言により先送りにされていた、両国間の外交と安全保障に関連する日程を再開することにしました。
アメリカを訪れている、外交部の金洪均(キム・ホンギュン)第1次官は、現地時間の23日、アメリカ国務省でキャンベル国務副長官と会談し、ハイレベルの外交日程について協議し、できるかぎり早く実現させることで一致しました。
外交部によりますと、金次官とキャンベル副長官は、北韓問題をはじめとする韓米同盟や、韓日米3か国の協力について議論したほか、北韓がウクライナ侵攻を続けるロシアに派兵したことなどをめぐって、北韓とロシアの違法な軍事協力を防ぐための外交努力を強化していくことで合意しました。
韓米両国は、3日の尹大統領による「非常戒厳」の宣言を受け、アメリカで4日から5日に開催を予定していた、核拡大抑止に関する協議の枠組みであるNCG=核協議グループの会議や、オースティン国防長官の韓国訪問を見送っていました。
戒厳令と弾劾訴追による混乱が起きて以来、韓米外交当局の高官が対面で協議を行ったのは今回が初めてです。
キャンベル副長官は、会談の冒頭、「韓国の民主主義と憲法に対する深い信頼を強調したい。強力かつ断固たる韓米同盟が維持されることを期待する」と述べました。
これに対し、金次官は謝意を表明したうえで、「大統領の権限を代行する韓悳洙(ハン・ドクス)国務総理のもと、政府は安定して運営されている」と説明しました。