尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が「非常戒厳」を宣言していた12月4日未明、武装した軍隊が国会議長公邸にも出動した疑いが浮上してきました。
国会事務局は、非常戒厳の解除要求決議案が4日未明に国会で可決されたあとの午前1時40分、戒厳軍の兵士が国会議長公邸の外を歩いている様子が監視カメラに映っていたとする映像を24日、公開しました。この兵士たちは、政府が非常戒厳の解除を発表したあとの午前4時45分に撤収したとされています。
国会事務局は、「国会議長が解除要求決議案の可決後に公邸に戻った場合、逮捕して2度目の戒厳を行う意図があったのではないか」として、国防部に説明を求めました。
これに対して、軍は「兵士たちは、大統領警護庁の要請によって公邸の警戒を強化するために派遣された非武装部隊であり、戒厳軍とは無関係だ」と釈明しています。
この説明に対して、禹元植(ウ・ウォンシク)国会議長は、「戒厳軍が国会に侵入したのに、戒厳軍に身辺保護を要請することはあり得ない。また身辺保護の要請は一切していない」と反発し、軍の説明を「前後が合わない」と、強く非難しています。
「非常戒厳」が宣言された当時、戒厳軍は国会だけでなく、選挙管理委員会や最大野党「共に民主党」の事務所にも投入されていたことが確認されています。軍はこれまでに、非常戒厳宣言当時に投入された兵力が1500人を超えることを明らかにしています。
尹大統領は、野党が大勝した4月の総選挙について、「不正選挙だった」と主張し、国会で過半数を占める野党が「国政を破壊した」とも発言しています。