「非常戒厳」を宣言した尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の弾劾が妥当かどうかを判断する裁判が、憲法裁判所で始まりました。
尹大統領の弾劾を求める議案が国会で可決されたことを受けて、憲法裁判所では27日午後2時から、裁判官らが出席して、争点や証拠などについて整理する初めての弁論準備手続きが行われました。これに先立ち、尹大統領側は、弁護団の選任届を憲法裁判所に提出しました。
通常、弁論準備では、双方の代理人が出席し、今後の審理日程や争点の整理が行われます。
弁論期日と弁論準備期日は、法廷秩序の維持と混乱を防止するため、生中継はしないということです。
憲法裁判所は、来年の初めまでに数回の弁論準備期日を経て、弁論手続きを開始するものとみられます。
次回の期日は、新年の1月3日になりました。
法律上、憲法裁判所は、弾劾が妥当かどうかを審理して、国会での議案の可決から180日以内に最終的な決定を言い渡すことになっています。尹大統領に対する弾劾訴追議決書が12月14日に提出されたため、期限は来年6月の12日までとなります。
一方、「非常戒厳」をめぐる捜査を進めている高位公職者犯罪捜査処は26日、内乱を主導した疑いなどが持たれている尹大統領に対し、今月29日の午前10時に出頭するよう3回目の要請を行っています。
高位公職者犯罪捜査処は、尹大統領に対し、内乱の首謀と職権乱用の被疑者として取り調べを受けるよう、これまで2回出頭を要請していますが、尹大統領は、「捜査機関による捜査より憲法裁判所の弾劾審判が優先されるべきだ」として、これに応じていません。
これを受け、高位公職者犯罪捜査処は一時、逮捕状を請求するかを検討するとの立場を示したものの、法律上の手続きを考慮し、3回目の出頭を要請する方針にしたものです。