韓国南西部・務安(ムアン)国際空港で発生した済州(チェジュ)航空の旅客機事故で、航空機が胴体着陸後に衝突した滑走路付近のローカライザーに関し、国土交通部は「事故との関連性を詳しく調査する計画」と述べました。
ローカライザーは、飛行機の着陸を補助する計器着陸装置(ILS)の一部で、滑走路の中心線に沿った進入経路を電波で案内し、夜間や悪天候時でも安全な着陸を可能にします。しかし、務安空港のローカライザーは下部にコンクリート構造物が設置されており、事故機はこの構造物に衝突。その後、59メートル離れた滑走路端の外壁にも衝突し、機体が2つに割れて火災が発生しました。
ローカライザー下部が硬いコンクリート構造になっているのは極めて珍しく、国内外の設置規定に違反している可能性が指摘されています。また、設置した場所から滑走路までの距離が近かったのではないかという見方も出ています。
これに対し、国土交通部は30日の定例会見で、「ローカライザーは任意に設置されるものではなく、設置規定がある。事故との関連性については綿密に調査を進める」と述べました。
一方、今回の事故をめぐっては、アメリカ国家運輸安全委員会(NTSB)が事故調査に参加することが発表され、事故機の製造元であるボーイング社やアメリカ連邦航空局(FAA)も調査に加わる予定です。航空機事故に関する国際規定に基づき、韓国が調査を主導し、航空機製造国であるアメリカの関連機関が協力する形となります。
国土交通部が事故の原因調査を急いでいる中、事故の原因究明に欠かせないブラックボックスを現場から回収したことを明らかにしました。ただ、ブラックボックスの一部が破損しているため、解読には最低でも1か月、損傷が激しい場合は6か月以上かかる可能性があります。