乗客と乗員あわせて179人が犠牲になった旅客機事故が起きた韓国南西部の務安(ムアン)国際空港では、身元の確認作業や遺体の検視が続けられており、31日現在まで、犠牲者179人のうち164人の身元が確認されました。
29日の事故当時、機体が滑走路の壁に衝突してほぼ焼け落ちたため、犠牲者の身元確認は難航しています。国土交通部などの関係当局は、まだ身元が確認されていない残り15人については、遺族のDNAを照合してできるだけ早く身元確認を終える方針です。
務安国際空港には事故が起きた29日当日から、臨時の遺体安置所が設置されており、身元が確認された犠牲者の場合、31日にも葬儀手続きに入る見通しです。
関係当局は事故原因を究明するため、現場を調査する一方、乗客の所持品などの遺留品を探す作業にも取り組んでいます。韓国政府とともに合同調査に参加する予定のアメリカの国家交通安全員会(NTSB)と事故機を製作したボーイング社の関係者も31日から事故現場に入り、調査を開始するとみられています。
一方、無安空港のターミナルには、29日夜から遺族が滞在できるようテントおよそ200張が設置されていて、その周辺は遺族らの泣き声で重苦しい空気に包まれています。
こうした中、遺族と痛みを分かち合うため、空港を訪れる市民たちも相次いでいて、直接作ったお餅、キッパ、暖かいお茶を振る舞ったり、毛布や防寒用品を配ったりするなど、温かい支援が寄せられています。