大統領権限代行の崔相穆(チェ・サンモク)経済副総理兼企画財政部長官が先月31日、任命した憲法裁判官2人は、1日から任期が始まりました。
憲法裁判官は、大統領と国会、大法院長がそれぞれ3人ずつ、合わせて9人が指名されますが、これまで国会が推薦する3人が空席となっていました。
しかし、憲法裁判所法では、事件を審理するための定足数を「憲法裁判官7人」と定めているため、これまで憲法裁判所が6人体制で運営されてきたことに対し、審理の正当性に対する懸念の声が上がっていました。
野党陣営は、政府に対し、国会が推薦する裁判官を任命するよう求めてきましたが、尹大統領の弾劾後、大統領代行を務めた韓悳洙(ハン・ドクス)国務総理がこれを事実上、拒否したことにより、韓国務総理に対する弾劾訴追案が国会本会議で可決されました。
そして、韓国務総理に代わって大統領代行を務める崔副総理は31日、国会が推薦する3人の候補のうち、与野党が推薦する候補1人ずつ、合わせて2人を任命しました。
残りの1人について、崔副総理は、与野党の合意がなされたら任命するとしています。
1日、新たに任命された裁判官2人の任期が始まったことにより、憲法裁判所は8人体制となり、尹大統領の弾劾裁判にも拍車がかかるものとみられます。
現在、憲法裁判所には、尹大統領を含め、合わせて10件の弾劾裁判が受け付けられていますが、憲法裁判所は、尹大統領の弾劾裁判を最優先するとしています。
既存の裁判官のうち2人は、任期が4月18日までとなっているため、尹大統領の弾劾裁判は、それ以前に最終結論が出るものと予想されています。