韓国南西部の務安(ムアン)国際空港で乗客と乗員あわせて179人が死亡した旅客機の事故をめぐって、現地で事故原因の調査にあたっている韓国とアメリカの合同調査チームが増員されました。
韓国国土交通部によりますと、アメリカの国家運輸安全委員会は1日、調査官2人を追加で派遣しました。
これにより、アメリカ側の調査チームは、国家運輸安全委員会から5人と連邦航空局、航空機メーカー「ボーイング」の関係者など、合わせて10人となりました。
アメリカ側の増員をめぐっては、事故が深刻なことや多方面からの調査の必要性なことなどが背景にあるとされています。
これに先立って、国土交通部所属の事故調査官11人をはじめとする、韓米合同調査チームは31日、事故現場での調査に着手しました。
事故機に搭載されたエンジンのメーカー「CFMインターナショナル」の技術顧問なども調査に参加しているということです。
初の現場調査では、航空機が胴体着陸後に衝突した滑走路付近のローカライザーに対する調査が行われました。
ローカライザーは、飛行機の着陸を補助する誘導装置で、夜間や悪天候時でも安全な着陸を可能にします。しかし、務安空港のローカライザーは下部に硬いコンクリートの構造物が設置されていたため、事故の被害を拡大させた可能性が指摘されています。
2日目は、事故機のエンジンと胴体などの残骸の状態や、羽根や血痕など鳥との衝突「バードストライク」の痕跡に対する肉眼調査が始まりました。
調査チームは、現場調査に続き、事故機の残骸から回収した飛行に関する情報を記録するフライトレコーダーと操縦室の音声を録音するボイスレコーダーの分析も行う計画です。
ボイスレコーダーからはデータの抽出が完了し、今後、分析に着手する計画ですが、フライトレコーダーは一部の部品がなくなった状態で見つかったため、場合によっては、データ抽出のため、アメリカに送られる可能性もあるということです。