検察は、「非常戒厳」が出された当時、国会と選挙管理委員会に軍を投入し、「布告令」を発表するなど、中心的人物とされた軍司令部関係者2人を身柄を拘束したまま起訴しました。
検察の非常戒厳特別捜査本部は、3日、朴安洙(パク・アンス)陸軍参謀総長と郭鍾根(クァク·ジョングン)陸軍特殊戦司令官を内乱における重要任務従事及び職権濫用による権利行使の妨害などの疑いで中央地域軍事裁判所に起訴しました。
検察は、捜査の過程で国会に投入された現場司令官らがやりとりした会話の録音ファイルを確保し、「扉を壊してでもこじあけて引っ張り出すよう、大統領が指示した」という音声を確認したということです。
朴参謀総長は、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が「非常戒厳」を宣言した直後、戒厳司令官に任命され、「布告令」を自身の名前で出したあと、戒厳司令部を作りました。「布告令」には、「戒厳法第9条に基づき、令状なしに逮捕、拘留、押収捜査を行うことができる」などとする、令状主義に反する内容が盛り込まれていました。
また、朴参謀総長は、警察庁長に指示し、国会に投入する軍を増員し、国会への出入りを制限した疑いが持たれています。
一方、郭司令官は、「非常戒厳」が出された当時、国会と選挙管理委員会への軍の出動と封鎖を指示した疑いが持たれていて、対テロ専門部隊である「707特殊任務団」などを国会と選挙管理委員会に向かわせたということです。
検察は、これらの行為が憲法秩序を侵害することを目的とした「国憲紊乱」と権限の濫用に当たるとして、起訴しました。
「非常戒厳」をめぐる軍司令部関係者らが裁判にかけられたのは、金龍顕(キム・ヨンヒョン)前国防部長官と呂寅兄(ヨ・インヒョン)国軍防諜司令官、李鎮雨(イ・ジヌ)首都防衛司令官に続き、全部で5人になります。