憲法裁判所は、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領側の弾劾審判を進める速度が速すぎるとの主張に真っ向から反論しました。
これまで、尹大統領側は、憲法裁判所が5回の弁論準備期日の日程を確定したことに対し、審理の速度が速すぎて不当だ、慎重であるべきだと主張してきました。
与党「国民の力」からも「拙速な審理につながりかねない」との声が出ていて、議論が続いていることに対し、憲法裁判所は、尹大統領側の主張に反論しました。
憲法裁判所はその根拠として、事件の審理計画は裁判所の裁量で判断するものだとしたうえで、過去の大統領弾劾事件に言及しました。事件の申立てから最初の弁論準備手続が行われるまで、盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領は18日、朴槿恵(パク・クネ)元大統領は25日がかかり、31日がかかった尹大統領の審理日程は決して速いとは言えないと強調しました。
また、与党「国民の力」の圧力を受け、尹大統領の弾劾審判を遅らせるために他の弾劾審判を先に進めたという主張も事実ではないとして、マスコミによる世論操作に惑わされないと主張しました。
一方、事件の審理を本格的に進めるうえで必要な「非常戒厳」をめぐる捜査記録が憲法裁判所に届いたことがわかりました。
捜査記録は、検察と警察、国防部によって作成されたもので、これまで尹大統領側は提出に反対してきました。
この捜査記録には、尹大統領に関する内容が多く記された金龍顕(キム・ヨンヒョン)前国防部長官の控訴状も含まれているということです。