「非常戒厳」の宣言をめぐって、内乱を首謀した疑いがかけられている尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の拘束令状の再執行が迫っているなか、大統領秘書室長が国民に向けたメッセージを発表し、「尹大統領の自己防衛権を保障してほしい」と訴えました。
鄭鎮碩(チョン・ジンソク)大統領秘書室長は、14日午前6時ごろ、急きょ、国民に向けたメッセージを発表しました。
このなかで鄭室長は、特例を要求しているのではなく、自由民主主義共和国の市民であれば、誰もが持つ権利だと前置きしたうえで、「第3の場所での取り調べ、または訪問での取り調べなどを協議する準備ができている」と表明しました。
また、政治的な扇動や捜査機関の圧力で尹大統領の口を塞いではならないとして、警察や高位公職者犯罪捜査処などの捜査当局に対し、「尹大統領を、まるで南米の麻薬組織を扱うように追い詰めている」と指摘し、冷静を取り戻すよう呼びかけました。
鄭室長が発表したメッセージは、尹大統領や尹大統領の弁護団と協議したものではないということです。
これに先立って、尹大統領側は、先月18日と25日、そして29日、3回にわたり、捜査当局の出頭要請に応じなかったほか、今月3日、捜査当局が試みた拘束令状の執行も、大統領警護処が阻止しました。
捜査当局は、被疑者が正当な事由がないにもかかわらず3回、出頭要請に応じない場合、拘束令状の請求を検討するのが一般的です。
捜査当局は15日、2回目の拘束令状の執行を行うものとされていて、この際、また大統領警護処が反発する場合は、公務執行妨害罪を適用するものとみられます。