「非常戒厳」の宣言をめぐって、内乱を首謀した疑いがかけられている尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領に対する2回目の拘束令状の執行を控え、尹大統領への捜査を担当する警察と高位公職者犯罪捜査処は14日、大統領警護処と会合し、安全な令状執行のための協力を要請しました。
現在、警察と高位公職者犯罪捜査処は、およそ1000人規模の捜査官を導入して尹大統領を拘束する計画を立てており、これに対し、大統領警護処が執行を阻止する意向を明らかにしていることから、双方の衝突やそれによる流血の事態などの懸念が高まっています。
ただ、会合後も捜査当局と大統領警護処の溝は、埋まらなかったということです。
尹大統領への令状執行をめぐっては、大統領警護処の内部で令状執行に反対する強固派の無力化がカギとされていますが、そのための準備が最終局面に差し掛かっていることから、大統領警護処の立場にこれといった変化がなくても、捜査当局は、従来の計画通り、令状の執行を試みるだろうと予想されています。
捜査当局は、1回目の令状執行が失敗した後、大統領警護処の朴鍾俊(パク・チョンジュン)警護処長とキム・ソンフン警護次長など、強硬派とされる上級職4人を特殊公務執行妨害の疑いで立件し、出頭要請を続けてきました。
朴処長は10日に辞任し、警察に出頭して取り調べを受けたほか、現在、処長代行を務めるキム次長は、これまで3回、出頭要請に応じなかったため、拘束される可能性が高くなっています。
一方、大統領警護処内部では、尹大統領の逮捕を阻止するための重武装を指示したキム次長に幹部らが反発し、辞任を求めるなど、対立や動揺が深まっているということで、令状執行の際、警護処がどんな立場に出るか、今後の動きに関心が寄せられています。