アメリカのトランプ次期政権の閣僚人事を審議する議会の公聴会が始まりました。この中で国防長官に指名されたヘグセス氏が、北韓について「核保有国」と言及したことをめぐって、トランプ次期政権で「北韓の非核化」という原則に変化が生じるのではないかという懸念が上がっています。
アメリカ議会上院では、現地時間の14日、次期政権の閣僚人事を審議する公聴会が始まり、国防長官に指名されたヘグセス氏への質疑が行われました。
この中でヘグセス氏は、「核保有国としての北韓の地位と、核弾頭を運搬するミサイルの射程距離の延長などは、韓半島やインド太平洋地域、世界の安定にとって脅威となる」と述べました。
アメリカ政府はこれまで、国際規範に反し、違法に核兵器の開発を行ってきた北韓に対し、核保有を容認する印象を与えないためにも、公式には「核保有国」と表現することを控えてきました。
しかし、今回のヘグセス氏の発言をめぐって、トランプ次期政権は、北韓との交渉で非核化を放棄し、核軍縮や核凍結など、より現実的とみられる選択肢を目標とするのではないかという懸念が上がっています。
さらにヘグセス氏は、同盟国との関係強化に言及しながらも、「同盟国の国防費の支出増大と負担の共有は、関係が一方的にならないようにするうえで重要だ」として、同盟諸国がより多くの費用を分担すべきだとする考えを示しました。
また、インド太平洋地域を含め、全世界に配置されたアメリカ軍の態勢を見直すと述べたことから、韓国に駐留するアメリカ軍の規模やあり方が調整される可能性があるという見方も出ています。