3回目の旧正月「ソルラル」を迎えた尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は、「非常戒厳」の宣言をめぐる弾劾裁判や内乱罪に問われている刑事裁判に備えて、身柄が拘束された状態で弁護団と会って対応を協議していると見られています。
尹大統領はおととしと去年の「ソルラル」には国民向けのビデオメッセージを送っていましたが、ことしは「ソルラル」前日の28日に「非常戒厳は内乱に当たらない。国の将来が心配される」などのメッセージを弁護団を通じて示し、当日の29日には、メッセージを出しませんでした。
一方、与党「国民の力」の議員ら20人あまりは29日、ソウル拘置所の前で、大統領の釈放を求める集会を開きました。
集会で尹相現(ユン・サンヒョン)議員は、「検察は尹大統領を釈放し、少なくとも弾劾裁判においては、自らを守る権利(自己防御権)を保障すべきだ」と主張しました。
また、元喜龍(ウォン・ヒリョン)前長官ら院外メンバー80人でつくる「弾劾に反対する会」は、「最後までともにする」という内容の声明文を弁護団に手渡しました。
大統領室の秘書官・補佐官や国民の力の議員らは、連休明けに尹大統領と面会する予定だということです。
これまでは、高位公職者犯罪捜査処が尹大統領に対して、弁護士以外との面会禁止措置を取っていたため、面会が制限されていましたが、最近この措置が解除され、「ソルラル」の連休明けには面会が可能になるためです。
与党関係者によりますと、「非常戒厳」事態以降、官邸にとどまっている金建希(キム・ゴニ)夫人は、健康上の問題や野党の攻勢などを考慮して、尹大統領の面会はできないということです。