内乱を首謀した罪で起訴された尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の起訴状が3日、公開されました。起訴状には、違憲で違法な「非常戒厳」を宣言したという内容のほか、尹大統領が直接介入した状況証拠などが盛り込まれました。
起訴状によりますと、尹大統領は、「非常戒厳」を宣言する直前に開かれた閣議で、閣僚らが引き止めたにもかかわらず、「大統領である私が決断したもので、大統領が責任をもって行うものだ」として、戒厳令の宣布を強行したということです。
また、起訴状には、「武装した軍人1600人あまりと警察官およそ3800人を動員し、国会と選挙管理委員会、『共に民主党』の事務所などを強圧し、暴動を起こした」と記されいて、検察は今回の「非常戒厳」を「尹大統領が国憲を乱す目的で軍と警察を動員して起こした暴動」と位置付けました。
検察は、尹大統領側が選挙管理委員会に軍人を送ったのは、不正選挙の証拠を確保するためだったと主張していることに対し、合理的な根拠がないと判断し、政治家や選挙管理委員会の関係者を逮捕しようとしたことも「違法」だと判断しました。
また、起訴状によりますと、尹大統領は、「非常戒厳」当時、李祥敏(イ・サンミン)前行政安全部長官に対し、革新寄りとされるメディアや調査機関を封鎖し、電気と水道を断つように指示したということです。実際、「非常戒厳」の布告令にも「すべての報道機関は戒厳司令部の統制を受ける」とされていました。
一方、ソウル中央地方裁判所は、尹大統領の刑事裁判の初の公判準備期日を20日に指定しました。
公判準備は、正式な審理を行う前に裁判の争点や証拠を整理するために行うもので、被告人に参加する義務はありません。