韓国政府が、バッテリーやバイオなど先端産業と技術を支援する「先端戦略産業基金」を新設する方針を示しました。基金の規模は、34兆ウォンを超える見通しです。
 
大統領の権限を代行する崔相穆（チェ・サンモク）副総理兼企画財政部長官は5日、産業競争力の強化に向けた閣僚会議を開き、「アメリカ新政権の関税政策や中国企業のディープシークの生成AIアプリなど、韓国経済に大きな影響を及ぼす変数が登場し続けている」としたうえで、「グローバルAI競争が、単純なインフラのスケールアップ競争を越え、ソフトウェア競争力などが加わった複合的な競争に拡大する可能性がある」と述べました。
 
そして、「今日の会議では、半導体、バッテリー、自動車、造船、鉄鋼協会と現場の状況を確認し、対応戦略を模索する」としたうえで、「政府レベルの支援も迅速に進めていく」と述べました。
 
先端戦略産業基金について、崔副総理は、「17億ウォン規模で進めている半導体金融支援プログラムの2倍以上の規模で、低金利の融資や持分投資など、様々な支援を進める計画だ」としたうえで、「先端産業分野の素材・部品・装備を扱う中小・中堅企業に対する財政支援も、画期的に拡大する」と強調しました。
 
また、「AI競争力の確保に向け、国家AIコンピューティングセンターの稼働を急ぐとともに、今月中に『国家AI委員会』の会議を開催し、世界3大AI大国へと飛躍するための戦略を議論する」と明らかにしました。
 
基金の新設方策を盛り込んだ改正案は、来月中に国会と協議する方針です。