「非常戒厳」を宣言して弾劾訴追されている尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領をめぐり、非常立法機構の設置に向けて予備費を確保し、国会への資金を停止するよう、当時の崔相穆(チェ・サンモク)副総理兼企画財政部長官に指示したとされるメモについて、崔副総理が、聴聞会で、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領からもらったものであると発言しました。
この非常立法機構の設置構想は、国会の機能停止を目指すもので、非常戒厳が憲法秩序を乱す目的だったことを示す重要な証拠とされています。
尹大統領は3回目の弁論で、メモの存在をマスコミ報道を通じて知り、「作成者は金容賢(キム・ヨンヒョン)前国防部長官である」と主張しました。
その後、4回目の弁論に出席した金前長官はこれについて、「自分が作成したもので、崔副総理が遅れて国務会議に出席したため、実務者を通じて閣僚に渡した」と述べていました。
しかし、内乱容疑の真相究明に向け、国会で行われた3回目の聴聞会に証人として出席した崔副総理は、尹大統領の主張を否定しました。
崔副総理は、当時、大統領に呼ばれたとき、参考にするように言われ、その場にいた人から折りたたまれたメモを渡されたと明らかにしています。
ただ、当時はメモの内容については知らなかったと述べたうえで、「『非常戒厳』というありえない状況で、為替市場のモニタリングに追われていたため、確認する余裕がなかった」と主張しました。
崔副総理が受け取ったメモには、▲予備費の確保、▲国会への資金提供の停止、▲国家立法機構の予算編成など、3つの項目について指示する内容が含まれていたということです。