尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の罷免の是非を判断する弾劾審判の7回目の弁論で、尹大統領が非常戒厳の宣言の背景としていた「不正選挙疑惑」に関する証人尋問が行われ、中央選挙管理委員会の投開票システムを点検した前国家情報院第3次長と中央選挙管理委員会の事務総長が証言しました。
尹大統領の弾劾審判の7回目の弁論が11日に開かれ、証人として白鍾郁(ペク・ジョンウク)前国家情報院第3次長と、中央選挙管理委員会の金龍彬(キム・ヨンビン)事務総長が出席しました。
2023年に選挙管理委員会のセキュリティ点検を担当した白前次長は、選挙管理委員会のシステムについて、「最高水準のセキュリティが維持されていると思っていたが、さまざまな問題点があった」と明らかにしました。
ただ、当時の点検は、不正選挙の痕跡を探すためのものではなかったと説明しました。
一方、金事務総長は、「不正選挙はあり得ない」と改めて強調しました。
金事務総長は、2020年の総選挙と関連し、憲法裁判所からの要請があれば、中央サーバーの電子情報も開示できると明らかにしました。
そのうえで、国家情報院による点検で指摘された問題を改善したあと、去年の総選挙が行われたと説明しました。
また、投票用紙を手作業で確認しているため、データの改ざんによる不正選挙はあり得ないと強調しました。
総選挙当時、国家情報院が確認した装置は全体の5%に過ぎないとする指摘については、国家情報院がサーバーなど重要な装置を点検し、残りのほとんどは、個人の事務用のパソコンだったと反論しました。
一方、尹大統領側の弁護士は、最高裁判所が2年あまりの審理の末、根拠がないとして棄却した仁川(インチョン)延寿(ヨンス)区の不正選挙疑惑を再び提起しました。
2020年の総選挙と関連して提起された「不正選挙疑惑訴訟」は、仁川延寿区を含めて合わせて126件で、最高裁判所は根拠がないとして、すべて棄却しました。