ソウルの中心部、市庁駅近くの交差点で、去年7月に車が歩道に突っ込み9人が死亡し、4人がけがをした事故で、裁判所は69歳の男性ドライバーに禁固7年6か月の1審判決を言い渡しました。
この事故は、去年7月1日午後9時ごろ、69歳の男性が運転していた乗用車が一方通行の4車線道路を逆走して車2台とぶつかったあと、歩道と横断歩道に突っ込み、信号待ちしていた人を次々とはね、歩行者9人が死亡、5人がけがをしたものです。
男性は、車の急発進による事故だと主張していますが、裁判所は、車載型の事故記録装置やドライブレコーダーを分析した結果、車のブレーキに不具合は見つからず、ブレーキのペダルではなく、アクセルのペタルを繰り返し踏んで走り続け事故を起こしたという国立科学捜査研究院の鑑定結果を受け入れ、判断したとしています。
裁判所は、「被告人の過失により9人が亡くなり、5人がけがをするなど、取り返しのつかない重大な結果が生じた。にもかかわらず、被告人は犯行を認めず、反省する態度を示していないうえ、被害者の家族が被告人を厳罰に処することを望んでいることから、罪責に相応する重い処罰が必要だと判断した」と理由を説明しました。
ソウル中央地方裁判所は12日、交通事故処理特例法違反の罪に問われていた69歳の男性に対して禁固7年6か月の1審判決を言い渡しました。
検察は、懲役7年6か月を求刑していました。
禁固刑は、懲役刑と同じく刑務所に収容して自由を奪う刑ですが、労務作業は義務付けられません。