「非常戒厳」の宣言をめぐる尹錫悦（ユン・ソンニョル）大統領の弾劾審判、8回目の弁論で、首都防衛司令部の警備団長は、当時、首都防衛司令官から「国会から議員を引っ張り出せ」という指示を受けたと、改めて証言しました。
 
尹大統領の弾劾審判の8回目の弁論は13日、憲法裁判所で開かれ、「非常戒厳」当時、国会に出動したチョ・ソンヒョン首都防衛司令部第1警備団長が証人として出席しました。
 
チョ団長は、「非常戒厳」当時、李鎮雨（イ・ジヌ）前首都防衛司令官から、「国会から議員を引っ張り出せ」という指示を受けたかという質問に対し、そのような指示を受けたと答え、その後李前司令官に改めて電話をかけ、再検討を要請したと述べました。
 
そして、すでに国会内部に入っている特殊戦司令部の兵士が議員らを引っ張り出したら通路を確保するなどして支援するよう、指示の内容が変わったということです。
 
ただ、チョ団長は、李前司令官が誰の指示を受けたのかは聞いておらず、「銃」や「逮捕」といった表現も聞いていないと述べました。
 
これに先立って6日、6回目の弁論で証人として出席した郭種根（クァク・ジョングン）前陸軍特殊戦司令官に続き、チョ団長も「国会から議員を引っ張り出せ」という指示があったと証言したことから、弾劾審判の争点のひとつ、「非常戒厳」解除のための議決を妨げようとする試みがあったかどうかがより明確になったかたちです。