旧日本軍の慰安婦被害者であるキル・ウォノクさんが16日、97歳で亡くなりました。キルさんが亡くなったことで、慰安婦被害者の存命者は7人となりました。
キルさんは1927年、平安北道(ピョンアンブクト)で生まれ、13歳だった1940年に「就職させてやる」と誘われ、中国に連れて行かれました。その後、今の中国東北部の旧満州などで旧日本軍の慰安婦としての生活を強いられました。
韓国の独立後に帰国し、1998年に政府に慰安婦被害者として登録しました。その後、国連人権理事会やILO=国際労働機関の総会で証言を行い、オーストラリア、カナダ、アメリカ、フランス、ベルギー、オランダ、ドイツなど世界各地で、戦時中の性暴力被害者の人権回復を訴え続けました。
また、これまで30年以上にわたり、ソウルの旧日本大使館前で開かれてきた「水曜集会」にも参加し、慰安婦問題の解決を求めてきました。
キルさんが亡くなったことで、政府に登録されている慰安婦被害者240人のうち、存命者は7人となりました。存命者の平均年齢は95.7歳となっています。