韓国中部の大田(テジョン)市の小学校で、教師が1年生の女子児童を刃物で刺し、殺害した事件で、精神疾患などで職務の遂行が難しい教員に対して教育当局が職権で休職または免職の措置を取れるようにする法改正が進められます。
韓国教育部は18日、今回の事件への対応策を発表しました。
それによりますと、精神疾患などで攻撃的な行動を見せるなど、職務の正常な遂行が難しい教員に対して、学校長は緊急の措置を取れるようになります。
これまでは、緊急に施設に入所させる緊急分離の際には地方行政組織の教育庁に報告しなければなりませんでしたが、状況が緊迫する場合、まず分離措置を取ったあとに教育庁に事後の承認を受けるようにするほか、必要であれば教育委員会に当たる教育庁のトップ、教育監がその教員の職位を解除できるように法律を改めます。
また、教員の職務遂行適合性を判断する委員会を新たに設け、教員が精神的・身体的疾患のため正常に勤務することが難しいと判断される場合、休職または免職、心理療法などを勧告できるようにします。
問題を起こしそうな危険性の高い教員が職場に復帰する際も、診断書だけでなく、実際の回復具合や正常に勤務できるかどうかなどを確認する手続きを設けます。
大田の小学校で女子児童を殺害した教師は、2018年からうつ病を患い、休職と復職を繰り返してきましたが、去年の暮れに突然職場に戻り、事件の数日前には同僚教師の首を絞めるなど、攻撃的な態度を見せていたとことです。
現行の教育公務員法でも、この教師に対して、学校や教育庁は職権で休職を命じたり、職位を解除したりすることができましたが、学校や教育庁がきちんと対応しなかったため、痛ましい事件が起きたという批判の声が上がっています。