韓国の半導体技術の水準が、中国に追い抜かれたという専門家らによる評価が発表されました。
韓国科学技術企画評価院が23日、国内の専門家39人を対象にアンケート調査を行った結果、半導体の主要技術において、5分野のうち4分野で韓国は中国よりも低い評価を受けました。
それによりますと、高集積・抵抗変化型メモリ、高性能で低消費電力のAI=人工知能半導体、パワー半導体、次世代の高性能センシング技術の4分野で、専門家らによる韓国への評価は中国よりも低く、半導体の先端パッケージング技術だけが中国と同じ水準との評価を受けたということです。
韓国科学技術企画評価院は、「半導体技術全般を対象とするライフサイクルの評価では、韓国は製造工程と量産の部門で中国より優位にあるが、基礎技術やオリジナル技術、設計技術の部門の評価では中国に劣っていた」と説明しています。
2年前に行われた調査では、高集積・抵抗変化型メモリ、次世代の高性能センシング技術などでは、韓国が中国をリードしているという結果が出ていましたが、この2年で状況が大きく変わりました。
一方、専門家らは、今後、韓国の半導体産業に影響を及ぼし得る要因として、▲中核人材の流出、▲AI半導体技術、▲米中の技術覇権競争、▲各国の自国中心政策、▲供給網の現地化などを挙げ、このうち、AI半導体技術のみが、韓国の競争力強化に前向きな影響を与える可能性があると評価しました。