韓国の高齢者の貧困率が高い理由について、国民年金の総所得に占める割合が低く、基礎年金の平均受給額が少ないためだという分析結果が発表されました。
政府系の韓国保健社会研究院が25日、まとめた報告書によりますと、2019年の時点で、韓国のGDP=国内総生産に占める高齢・遺族関連の公的社会支出の割合は3.5%だったのに対して、イタリア、ギリシャ、フランス、フィンランド、ドイツは10%を上回りました。
ヨーロッパ8か国のうちもっとも低かったイギリスすら5.7%と、韓国の1.6倍に上りました。
OECD=経済協力開発機構加盟国の平均は8.2%でした。
高齢者世帯のうち、高齢・遺族関連の年金をひとつ以上受給している世帯の割合は、韓国は93.4%、ヨーロッパ8か国は94∼99%と、いずれも90%を上回りました。
しかし、韓国は、年金収入の総所得に占める割合が50%以上の高齢者世帯が14.9%にとどまりました。
報告書は、基礎年金の受給者は多くても、平均受給額は少ないことを意味すると説明しています。
これに対してヨーロッパ8か国のうち6か国は、年金収入の総所得に占める割合が50%以上の高齢者世帯の割合が80%を上回りました。
このように年金の給付水準が低いことが、韓国の高齢者の貧困率を高くしているとみられます。
2021年の時点で、中位所得の50%に及ばない高齢者の割合は、ヨーロッパはイギリスとドイツを除いて、いずれも一桁でしたが、韓国は34.7%でした。