尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領による「非常戒厳」の宣言から84日目を迎えた25日、尹大統領の弾劾審判の弁論の手続きが終了しました。憲法裁判所は今後、尹大統領の罷免の是非を決めるための手続きに入ります。
憲法裁判所は、26日から最終宣告が出されるまで、休日を除いて毎日評議を行います。
憲法裁判官の評決を経て、罷免を認めるのか・棄却するのか・却下するのかが決まると、主審裁判官が多数の意見をもとに弾劾決定文を作成します。
多数意見と見解が異なる少数意見がある場合、これを反映して決定文を確定し、裁判官8人のうち6人以上が弾劾を認めた場合、尹大統領は罷免となります。
朴槿恵(パク・クネ)元大統領は、17回目の弁論を行ってから11日後に弾劾を認める決定がされ、盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領は7回目の弁論を行ってから14日後に弾劾が棄却されました。
こうした前例を踏まえると、尹大統領の弾劾審判の結果は、来月中旬に出されるとの見通しが出ています。
ただ、国会が推薦した憲法裁判官候補の1人が任命されなかったことをめぐる審判の宣告が影響を与える可能性があります。
大統領の権限を代行する崔相穆(チェ・サンモク)副総理兼企画財政部長官は、国会が選出した3人の候補のうち、馬恩赫(マ・ウンヒョク)候補について、与野党の合意がないとして、任命を見送りました。
この対応に反発した禹元植(ウ・ウォンシク)国会議長は、国会が裁判官を選出する権利などを侵害するものだとして、憲法裁判所に審判を請求しました。この審判の宣告期日は、27日となっています。
憲法裁判所が訴えを認めた場合は、崔副総理は、馬候補を裁判官に任命しなければなりません。
そうなると、尹大統領の弾劾審判の評議に馬候補を参加させて9人体制で結論を出すか、今の8人体制で結論を出すかを決めなければならないため、最終宣告が先送りになる可能性があります。
憲法裁判所がこの訴えを棄却または却下した場合、裁判官の構成に影響を受けないため、尹大統領の弾劾審判の最終宣告は、来月中旬に出される見通しです。