アメリカの畜産業界は、生後30か月以上の牛肉の輸入を禁じてきた韓国の検疫規定は不公正貿易だとして、韓国に対しアメリカ産牛肉の月齢制限を撤廃させるようトランプ政権に求めました。
韓国は2008年、アメリカ産牛肉に対するBSE=牛海綿状脳症の懸念が広がったことを受け、生後30か月以上のアメリカ産牛肉の輸入を禁じていますが、これが不公正貿易だということです。
韓国はここ数年間は、アメリカ産牛肉の最大の輸入国ですが、アメリカの畜産業界は、韓国への輸出をさらに増やそうとしています。
アメリカの全国牛肉協会は現地時間の11日、アメリカ貿易代表部に提出した意見書で、「アメリカ産牛肉に対する30か月の月齢制限が、韓国では敏感な問題であることは承知しているが、無視してはいけない」と訴えました。
そのうえで、「アメリカは、BSEに関連してもっとも厳しい基準と安全措置を設けている」として、月齢制限の撤廃と科学に基づいた貿易の強化に向け、韓国との協議をすすめることを求めました。
また、中国、日本、台湾は、30か月の月齢制限をすでに撤廃したと強調しました。
アメリカ貿易代表部は、去年発表した国別の貿易障壁に関する報告書で、韓国と合意した生後30か月以上の牛肉に対する輸出制限は、過渡期の措置だったにもかかわらず、16年間維持されており、ビーフパティやジャーキー、ソーセージなどの加工肉は依然として禁じられていると指摘し、韓国の輸入規制を撤廃するよう求める立場を明らかにしました。