半導体やディスプレイなどの技術が韓国から海外へ流出した件数が去年27件に上り、これまででもっとも多かったことがわかりました。このうちの11件は中核技術の流出でした。
韓国の警察庁国家捜査本部によりますと、去年摘発された海外への技術流出件数は、合わせて27件で、これまででもっとも多かったということです。
国別には、中国への流出が20件と全体の75%に上り、続いてアメリカが3件、日本、ベトナム、ドイツ、イランがそれぞれ1件ずつでした。
分野別には、半導体の技術が9件でもっとも多く、ディスプレイが8件、電機・電子が3件、情報通信が2件、自動車・鉄道、造船、バイオ、機械、その他がそれぞれ1件ずつでした。
このうち、国の安全保障にかかわる中核技術の流出は11件に上りました。
中核技術は、半導体、自動車など、韓国の主力産業に関連する技術的、経済的価値が高く、海外に流出されれば国の安全保障や経済に悪影響を及ぼす技術を指します。
中核技術の流出は、2021年に1件、2022年に4件、おととし2件に過ぎませんでしたが、去年は11件と急激に増加しました。
警察庁国家捜査本部は、「ことしの摘発件数11件は、国家捜査本部が発足して以来もっとも多いものだ。関係機関と協力して技術流出の取り締まりを強化していく」と話しています。
また、インターポール=国際刑事警察機構など、海外の関係機関との連携も続けるとしています。