国会から弾劾訴追された韓悳洙(ハン・ドクス)国務総理を罷免するかどうかを決める弾劾審判の宣告が、今月24日に行われることになりました。
韓国の憲法裁判所は、韓悳洙国務総理に対する弾劾審判の宣告を、今月24日午前10時に行うと発表しました。
先月行った最終弁論から33日経っての宣告となりますが、先に弾劾訴追された尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領より早く判決が出ることになります。
国会は、去年12月、尹大統領による「非常戒厳」の宣言をほう助し、憲法裁判所の裁判官の任命を拒否した罪で、大統領の権限を代行していた韓国務総理を弾劾訴追しました。
尹大統領の弾劾審判と一部の争点が重なっていることから、韓国務総理と尹大統領宣告が同時に行われるという見方もありましたが、憲法裁判所が尹大統領側に宣告期日の通知を行っていないことから、尹大統領に対する宣告は、来週の半ばかそれ以降になるとみられています。
韓国務総理の宣告が先に行われることになった背景には、アメリカのトランプ大統領による関税措置や貿易問題など、国内外で経済危機への懸念が高まっている中、リーダー不在の状態が続いていることを踏まえ、比較的複雑な争点の少ない韓国務総理に対する宣告を先に行うことで、経済や外交分野での不確実性を解消する狙いがあるとみられます。
また、野党勢力から大統領の権限を代行する崔相穆(チェ・サンモク)副総理兼企画財政部長官の弾劾を求める声が上がっていることで、大統領の権限代行に対する弾劾訴追案が国会で成立するための定足数の基準をめぐる議論が再び浮上していることを憲法裁判所は意識したためという指摘もあります。
当時、韓国務総理の弾劾訴追に対する国会での可決要件の定足数の基準をめぐって、大統領の権限代行に対する弾劾訴追案が国会で成立するための定足数の基準が、在席議員の過半数なのか、3分の2以上なのかが議論になりましたが、憲法裁判所は、これについても韓国務総理の宣告日に言及するものとみられます。
また、韓国務総理の弾劾訴追の理由に「非常戒厳」に関する内容が含まれているため、韓国務総理の宣告の結果が尹大統領の宣告の結果を判断するバロメーターになりうるという見方もあります。