韓国南東部の慶尚北道(キョンサンブクド)義城(ウィソン)郡で発生した山火事が周辺地域まで広がり、26日午後現在26人が亡くなったことがわかりました。
大規模な山火事が発生している慶尚北道の義城郡、蔚山(ウルサン)市の蔚州(ウルチュ)郡、慶尚南道(キョンサンナムド)の山清(サンチョン)郡では、山火事の対応レベルをもっとも高い「第3段階」に維持しています。
中央災害安全対策本部によりますと、25日から26日午後にかけて22人の死亡が確認されたということです。
これまでに、慶尚消火作業にあたっていた消防隊員ら4人が死亡していて、今月21日以降に発生した山火事で死亡した人は、あわせて26人となりました。
義城郡の山火事は、25日午後から周辺地域まで急速に広がっています。
山林当局が明らかにしたところによりますと、25日午後4時50分ごろ、義城郡にある新羅時代の681年に創建された「孤雲寺(コウンサ)」が全焼したということです。
さらに、義城郡の山火事が、朝鮮時代の家が保存されユネスコ世界遺産に登録されている安東(アンドン)の「河回村(ハフェマウル)」と直線距離で10キロメートルのところまで広がり、山林・消防当局が警戒を強めています。
また、韓国法務部が明らかにしたところによりますと、山火事の拡散に備え、慶尚北道北部刑務所の受刑者のうち、およそ500人を大邱(テグ)地方矯正庁傘下の収監施設に移監したということです。
義城郡の山火事について、専門家らは、統計を取り始めて以降もっとも規模が大きい、前例のない山火事だとの分析を示しました。
一方、6日目を迎えている山清郡の山火事も、周辺地域まで広がっていますが、依然として消火活動が難航しています。
山清の山火事の被害面積は1685ヘクタール、鎮火率は80%です。
蔚州郡の山火事の被害面積は494ヘクタール、鎮火率は92%です。
一方、夜間にほとんどの地域に出されていた強風警報は解除されましたが、依然として秒速10メートル以上の強い風が吹いています。
気象庁によりますと、27日には全国で5から20ミリの雨が降るということで、被害が大きい慶尚北道は5ミリ未満の雨の予想となっています。