韓国南東部で同時多発的に発生した山火事の現場では、条件が整ってきたため消火活動に「すべてのリソースを集中」して鎮圧するとしています。夜の間わずかでも雨が降り、風速が低下するなど、消火活動のさらなる進展につながり、鎮火率は、慶尚北道(キョンサンブクド)で平均85%を記録しました。
28日、山林庁と各自治体が発表したところによりますと、この日の午前5時時点で、慶尚北道の平均鎮火率は85%となっています。
最初に山火事が発生した慶尚北道義城(ウィソン)郡の鎮火率は95%に達し、もうすぐ鎮圧できるものとみられます。現在、延焼している範囲の外周の長さ277キロメートルのうち、263キロメートルで消火活動が完了しています。
火が燃え広がった慶尚北道の北部では、夜の間1ミリメートル前後の雨が降り、風速も秒速2メートルから3メートルに低下し、火の広がりが遅くなっています。
山林庁長は、28日午前のブリーフィングで、「今日中に最も燃えている地域を鎮圧できるよう、すべてのリソースを集中する」と述べました。
風が弱まり消防ヘリの投入が可能になったことを受け、山林庁と各自治体は、ヘリおよそ80機と消防隊員らを投入し、鎮圧に向けた消火活動を進める方針です。
今回の山火事で被害を受けた慶尚北道北部の面積は、4万5000ヘクタールに及ぶものとみられています。これは、過去最大だった2000年の東海岸の山火事の焼失面積2万3794ヘクタールをはるかに上回るものです。消火活動が完了した場合でも、焼失面積がさらに拡大する可能性が高く、今回の山火事は過去最悪の規模になると推定されます。
中央災害安全対策本部が発表したところによりますと、今回の山火事により、亡くなった人は28人となっています。
地域別には、もっとも深刻な被害を受けた慶尚北道の人命被害が、最も多く、亡くなった人は24人、慶尚南道(キョンサンナムド)でも4人が亡くなっています。また、けがをした人は、重傷9人、軽症28人となっています。
避難した住民は、2400世帯のおよそ8千人で、まだ自宅に戻れず、学校などに設けられた避難所で生活しているということです。