アメリカの企業「スペースX」が運用する衛星インターネット接続サービス「スターリンク」の韓国国内サービスが、6月ごろから本格的にスタートする見通しです。
韓国政府は25日、電波法施行令の改正案を閣議決定しました。
この改正案は、低軌道衛星通信サービスの国内への導入に必要なプロセスを簡素化し、制度の基盤を設けるための内容が盛り込まれていて、科学技術情報通信部は4月1日に改正案を公布する予定です。
現在、スターリンクが国内サービスを開始するためには、科学技術情報通信部の承認などが必要ですが、業界では、このプロセスが完了するとみられる6月から、国内でもサービスの利用が可能になるとの見方が出ています。
低軌道衛星は地上100キロから2000キロの高度に位置するため、赤道上空およそ3万6000キロにある静止軌道に比べて地表と近いため、通信速度が速いというメリットがあります。
特に、スターリンクは、地上の基地局が機能しない状況でも、衛星ネットワークを使って通信ができるため、従来の通信ネットワークでは電波が届きにくかった山間部や島しょ部でも安定的に通信を行うことができるほか、災害時の通信ネットワークとしても注目されています。
実際、ことし1月にアメリカ・カリフォルニア州で山火事が発生した際も、スペースXは被災地支援としてスターリンクの端末を提供し、通信の空白を埋めました。
ほかにも、ロシアとウクライナの戦争でも、スペースXのCEO、イーロン・マスク氏がウクライナ側にスターリンクを提供し、ウクライナはスターリンクを使って軍事作戦を遂行しました。