大統領の権限を代行する韓悳洙(ハン・ドクス)国務総理が韓国時間の8日夜、アメリカのトランプ大統領と初めて電話会談を行い、今後、関税だけでなく貿易や防衛費など、すべての問題を交渉していくことになる見込みです。
この電話会談で韓国務総理は、アメリカ産のLNG=液化天然ガスの輸入を拡大することで、アメリカとの貿易不均衡の問題を解消したい考えを示し、関税措置の見直しを求めたとされています。
これに対しトランプ大統領は、韓国のアメリカに対する貿易黒字だけでなく、アメリカ軍の韓国駐留にかかる費用の分担の問題にも言及し、貿易と安全保障を一括で取引する「パッケージ・ディール」の可能性を示唆しました。
トランプ大統領は会談直後、SNSで「韓国の巨大で持続不可能な貿易黒字」に触れ、「造船産業やアメリカ産LNGの大量購入などについて議論した」と明らかにしました。
造船とLNGが交渉の議題に上がったのは、アメリカがLNGを輸出したい一方で、それを運ぶ船舶の製造では、韓国が高い造船能力を持っているため、両国が協力すれば、お互いにプラスになると考えているためです。
また、トランプ大統領はSNS上で、韓国に駐留するアメリカ軍にかかる費用について、「1期目の任期中に、韓国が数兆ウォンを分担し始めたが、前のバイデン政権がこれを終了させた」とし、防衛費を再交渉したい考えを明確にしました。
韓国務総理は、「造船・LNGを含めて、アメリカとの協力のレベルを一層引き上げたい」と述べました。
同じ日に放送されたCNNのインタビューでも、韓国務総理は、「韓国は、アメリカとの交渉を選ぶ。中国や日本と共同の対応は、実益がない」と語り、アメリカとの2国間の交渉に重きを置く姿勢を示しています。