第21代大統領選挙がおよそ50日後に迫っているなか、生成AI=人工知能を使ってニセの動画などを作る、いわゆる「ディープフェイク」を活用した選挙コンテンツが公職選挙法に違反する可能性があるとの警告が出されました。
また、一般有権者が誤認する可能性があるだけでも法違反にあたるとする中央選挙管理委員会の基準が示され、AIを活用した映像・音声生成技術を取り扱う企業に注意が求められます。
中央選挙管理委員会は今月11日、「選挙期間中のインターネット情報サービスの運営に関する懇談会」を開催しました。
この懇談会には、主なポータルサイトやコミュニティ、AIで人間との会話を自動的に行うAIチャットボットサービスを提供している企業の実務者が出席しました。
このなかで、中央選挙管理委員会の関係者は、インターネットなど情報通信網を利用した選挙運動や世論調査など公職選挙法に関する主な内容を説明し、法律違反にあたる投稿の削除要請に積極的に協力するよう呼びかけました。
ディープフェイクを利用した選挙運動の禁止条項は、去年1月から施行中の公職選挙法に明記されています。
法律では、AI技術で生成され、実際と見分けがつきにくい音声や画像、映像コンテンツを「ディープフェイク」と定義し、それらを活用した選挙運動を禁止しています。
中央選挙管理委員会は、「『実際と見分けがつきにくい』という判断基準は、一般有権者が直感的に見分けられなければならないことを意味する」としたうえで、「少しでも現実と混同する恐れがあるなら、法律違反に該当する」と説明しました。