去年12月の「非常戒厳」宣言をめぐり、内乱を首謀した罪で起訴された尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領の初公判が、罷免が確定してから10日後の14日に行われました。
初公判に出席した尹前大統領は、起訴内容を否認し、控訴状の内容を指摘するなど、検察と激しく対立しました。
初公判が行われたソウル中央地方裁判所は、朴槿恵(パク・クネ)元大統領と李明博(イ・ミョンバク)元大統領の裁判が行われた場所です。
検察側からは12人が出席し、用意したプレゼンテーション資料をもとに、「非常戒厳」をめぐって計画を事前に謀議したことや、内乱を目的に暴動を引き起こしたとして、内乱罪に当たると主張しました。
一方、直接冒頭陳述を行った尹前大統領は、93分間にわたって、26年に及ぶ自身の検事としての経歴に言及し、真っ向から反論しました。
尹前大統領は、検察側の資料を細かく指摘し、「軍を激励するために用意した食事会が、事前謀議の場にねつ造された」としたうえで、「数時間で、非暴力的に国会の解除要求を直ちに受け入れた事件を内乱で構成すること自体が法理に合わない」と主張しました。
また、「検察起訴も違法だ」と改めて主張し、裁判部に対して公訴棄却を求めました。
2回目の公判は今月21日に行われ、検察と尹前大統領の激しい対立が続くものとみられます。