去年12月の「非常戒厳」宣言をめぐり、内乱首謀の罪に問われている尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領が被告人として法廷に出席している様子が初めて公開されました。
ソウル中央地方裁判所では、21日午前、尹大統領に対する2回目の公判が行われています。
この日は、裁判所の許可により開廷前の法廷内が報道陣に初めて公開され、被告人席に着席した尹前大統領の姿が初めてメディアに映し出されました。尹前大統領は紺のスーツに赤系のネクタイ姿で、開始3分前に法廷に入り、表情は落ち着いた様子でした。
尹前大統領は去年12月3日、「非常戒厳」を宣言し、軍を動員して国会を掌握しようとしたとして、内乱首謀の罪に問われています。
第2回公判では、去年12月に「非常戒厳」が宣言された際、国会に出動した軍を指揮したとされる陸軍首都防衛司令部のチョ・ソンヒョン第1警備団長と、特殊戦司令部のキム・ヒョンギ第1特戦隊隊長の2人が検察側の証人として出廷し、弁護側による反対尋問が行われています。
2人は、今月14日の初公判で、「上官から国会に入り、議員たちを引きずり出すよう指示された」と証言していて、2回目の公判でも、証言の真偽をめぐる激しい神経戦が展開されました。
尹前大統領側は、「国会で議員を引きずり出すことが、本当に可能だったと思うのか」とただし、証言の信ぴょう性を追及しました。これに対し、チョ団長は「不可能な指示を出す理由がない」と反論し、上官からそのような命令を受けたことを改めて強調し、証人と弁護側の主張が真っ向から対立しました。