朝鮮王朝時代に日本に派遣され、両国の交流を象徴する外交使節、「朝鮮通信使」が乗った船の復元船が、韓日国交正常化60周年を記念し、およそ200年前の目的地だった大阪・関西万博が行われている大阪に向かいます。
国立海洋遺産研究所は22日、「朝鮮通信使」が乗った船の復元船が、今月28日、釜山(プサン)を出港し、大阪・関西万博で来月13日に行われる韓国のナショナルデーに合わせて、来月11日に大阪に到着すると発表しました。
木浦(モクポ)の国立海洋遺産研究所から釜山に移動し、大阪に向かう往復2千キロメートルに及ぶ今回の航路は、朝鮮通信使の第11回の航路の目的地だった大阪までを再現し、これまでの復元船の航海距離としては過去最長となる見通しです。
朝鮮通信使の復元船が、過去の航路に沿って日本に向かうのは、今回が3回目となります。
全長34メートル、幅9.3メートル、帆柱の高さ22メートルの復元船は、樹齢が80年から150年に及ぶ900本の材木で作られています。乗船人数は72人です。
韓国と日本を往来した朝鮮通信使船のうち、最高位の正使が乗った「正使騎船」を土台に、実物に近い形に復元しました。
国立海洋遺産研究所は、2023年にも、長崎県の対馬に向かう航路の再現に成功し、去年は、山口県下関市に入港しました。
朝鮮通信使は、韓国では壬辰倭乱と呼ばれる文禄・慶長の役で断絶した日本との交流を回復するため、日本の要請で1607年から1811年までのおよそ200年間に、12回にわたり派遣された外交使節です。
当時、日本の要請で派遣された使節団は、船で海峡を渡り、対馬と下関を経て大阪に到着し、大阪から将軍がいる江戸までは陸路で移動したとされています。