太平洋戦争中の徴用被害をめぐる訴訟で、韓国の光州(クァンジュ)地方裁判所は21日、日本の鉱山企業「日本コークス工業」(旧三井鉱山)に対し、徴用被害者の遺族3人にそれぞれおよそ476万ウォンから2857万ウォン(日本円でおよそ50万円から300万円)を支払うよう命じる判決を言い渡しました。
訴訟を起こしたのは、日本の植民地支配下にあった1941年から1943年にかけて、全羅南道の海南(ヘナム)や和順(ファスン)から北海道の三井鉱山に強制連行された被害者の子孫です。
遺族によりますと、被害者ら3人は、日本で朝鮮人であることを理由に暴行を受けたり、劣悪な労働環境の中で働かされ、このうち1人は事故により命を落とし、残る2人も強制徴用の後遺症に苦しんだということです。
光州地方裁判所は21日、「被告企業には損害賠償の責任がある」としながらも、原告が相続人の三菱鉱山から譲渡を受けた相続分については、消滅時効が成立したと判断し、請求の一部を認める形となりました。
原告の1人は判決後、記者団に対し、「日本の企業は、父を強制連行し、給料はおろか、食事もちゃんと与えなかった。その賠償をすべきだ」と語りました。