IAEA=国際原子力機関のグロッシ事務局長が、北韓の核保有国としての地位を前提に対話すべきと受け取れる発言を再び行い、波紋を呼んでいます。
グロッシ事務局長は22日、アメリカ外交評議会のイベントで、北韓の核能力と技術が進展し、より多くのウラン濃縮が行われており、新たな濃縮施設も完成したと明かしました。
そのうえで、北韓について「核兵器を多数保有しながらも、統制不可能な国家」と表現しました。
原子力機関のトップのこうした発言は、北韓の非核化に対して懐疑的な国際世論をさらに強める可能性があります。
グロッシ事務局長は去年9月にも、北韓を事実上の核保有国として言及し、物議を醸しました。
グロッシ事務局長は解決策として、アメリカのトランプ大統領と金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長による対話を提案しました。
第1次トランプ政権で行われた米朝首脳の親書外交について触れ、「トップダウン方式の首脳外交」が重要だと強調しました。
一方、韓国政府は、北韓の完全な非核化に向けて取り組む立場を維持しています。
北韓は、30発から50発の核弾頭、70個から90個の核兵器を製造できる核物質を保有していると推定されています。