韓国と中国の排他的経済水域(EEZ)が重なる韓半島西の海、西海(ソヘ)の韓中暫定措置水域に、中国が無断で設置した構造物をめぐって、韓国政府が暫定措置水域の外への移動を求めたのに対し、中国側は「領有権とは無関係な養殖施設だ」と主張し、撤去の代わりに現地調査を提案しました。
韓中両国は23日、ソウルで第3回海洋協力対話を開き、両国の暫定措置水域に中国が一方的に設置した構造物について議論しました。
中国側は、会議で、必要であれば韓国側の関係者による現地調査を支援する用意があると表明したとされています。
政府は、暫定措置水域に中国が一方的に設置した3つの構造物について、区域外への移動を要求し、応じなければ同じような対応をせざるを得ないという立場を示しました。
これに対して中国側は、「構造物はあくまでも純粋な養殖用施設であり、領有権などとは関係がない」と主張し、さらに民間企業の投資によるものだとして、移動には難色を示しました。
そのうえで、「現地で直接確認してほしい」と韓国側に現地調査を提案しました。
しかし、政府は、中国の提案に対して、慎重な姿勢を示したとされています。
施設が養殖場かどうかよりも、暫定措置水域内に設置して影響力を増そうとする中国の思惑が見え隠れするなか、調査に応じれば、「養殖場なら問題ない」とする中国側の主張を受け入たことになりかねないためです。
ただ、韓国政府は、中国が当面は追加の施設を設置しないとみています。
中国側は当初、こうした養殖施設を最大で12か所まで増やす計画があるとされていました。
両国は、この問題が韓中関係の発展の足かせになってはならないという認識で一致し、新たに設置した「海洋秩序分科委員会」を通じて引き続き協議していくことで合意しました。