2022年に韓国・ソウルの梨泰院(イテウォン)で起きた転倒事故の真相究明と再発防止に向けて設置された特別調査委員会が、調査官の任命を終え、本格的な活動を始めました。
特別調査委員会は28日午前、新たに採用した調査官36人に任命状を授与しました。午後には、調査官たちが宋基春(ソン・ギチュン)委員長らとともに、事故現場や追悼施設を訪れ、犠牲者に哀悼の意を表し、調査への決意を新たにしました。
調査官の任命が完了したことで、これまで進んでいなかった資料調査や調査計画の策定に、いよいよ本格的に取りかかることになります。
今後は、1か月から2か月程度の事前調査を行ったうえで、正式な調査の開始が決まる予定です。正式な調査が始まれば、1年間にわたって事実関係の調査や制度改善、被害者支援などに取り組み、必要に応じて最大3か月、活動期間を延長できることになっています。
梨泰院事故は、2022年10月29日、ハロウィーンで混雑していた梨泰院で起きた転倒事故で、日本人2人を含む159人が死亡、数百人が負傷する大惨事となりました。
これまで警察の捜査や国会による調査は行われましたが、事故の根本的な原因や責任の所在は明確にされず、遺族や市民団体が独立した調査を求め続けてきたのを受け、去年5月に特別法が国会で可決され ました。
しかし、9月に特別調査委員会が発足しましたが、政府による人員派遣の遅れや事務局長の任命の遅延などで、活動開始が遅れていました。