ロシアは、北韓から派兵された北韓軍が訓練する様子が映った映像を公開し、北韓との蜜月関係をアピールしました。
 
ロシア国防省は、現地時間の28日、北韓軍兵士らが、北韓軍指揮官の指示のもと、訓練場で実弾射撃や対戦車ロケット弾の発射などを行っている様子が映った1分あまりの映像を公開しました。
 
映像には、北韓軍兵士がロシア軍兵士の手本をまねて手りゅう弾を投げる様子や、塹壕の中を走る様子、軍歌を歌いながら移動する様子なども映っています。
 
北韓は最近、ロシア製のものに似た自爆型無人機も公開したことから、派兵の代償として、ロシアから軍事技術の移転を受けたものとみられています。
 
さらに、無人機以外にも軍事偵察衛星や駆逐艦、潜水艦など最先端兵器の技術移転も要求する可能性があるという見方も出ています。
 
一方、北韓とロシアは最近、派兵の事実を認めました。
 
北韓の金正恩（キム・ジョンウン）国務委員長は、ロシアが第2次世界大戦でナチス・ドイツに勝利したことを祝う、5月9日の「戦勝記念日」の行事に参加する可能性があると伝えられていて、両国が派兵の事実を認めたのは、金委員長のロシア訪問前の雰囲気づくりがねらいだとみられています。
 
アメリカのシンクタンク「戦略国際問題研究所」のサイラー上級顧問は28日、最近の北韓とロシアの蜜月関係について、「両国の接近により、トランプ大統領と金委員長が直接交渉を行う可能性はますます低くなっている」と指摘しました。